加速主義と21世紀の展望

資本主義に由来する様々なファクターを社会主義的な視点から克服するには、資本主義の手法を加速的に推し進め、資本主義の制度を解体する作用に期待すべきとする思想である。

2010年代に姿を現し始めた、ウオーリック大学のニック・ランドとその組織、CCRUに代表される哲学の一潮流。アントニオ・ネグリマイケル・ハートによって提唱されて2000年代に流行した「マルチチュード」とは異なる体制に反する考えが現れ始め、そこからあらたな思想が生じたものと考えられる。 のちにより右派加速主義を信条とするニック・ランドとより社会主義を基調とするレイ・ブラシエ、マーク・フィッシャー、コドゥウォ・エシュンをはじめとするグループに分裂する。 米国では2012年にシアトルの教育機関、The New Centre of Research & Practiceの教授と研究者、レザ・ネガラスタニ、ジェイソン・アダムス、パトリシア・リード、松本良多、ニック・スルニチェックを中心に加速主義を資本主義的社会現象的な諸現象、プラットフォーム・キャピタリズム (ニック・スルニチェック)、ゼノフェミニズム (パトリシア・リード)、ポストデジタル理論 (松本良多)、デジタル・レーバー (カイリ・ジャレット)からテクノロジーとアートをまじえた視点により考察している。同機関では加速主義の批評家であるベンジャミン・ノイと右派加速主義者のニック・ランドも講師としてセミナーを教えていた。

20013年にThe New Centre of Research & Practiceの創立者の一人であるモハメッド・サラミーのキュレ-トによるニック・スルニチェク、アレックス・ウィリアムズの「加速派政治宣言」が左派の加速主義の思想を明瞭にした。左派加速主義によれば加速は制御可能で、新自由主義体制下での社会の諸現象への解決策として提示された。

 

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